2229年9月から2230年8月にかけて、ダーガン星系およびキャレンバル星系にて発生した、海賊団「ランソマーズ」による民間人誘拐と、救出に至るまでの国際地球連合航空宇宙軍との一連の戦闘をいう。
2229年9月25日:発覚
Dargan Vをめぐる穏やかな軌道上に緊急通信ブイが浮遊している。どうやら至近弾か激しい爆発により、外殻が大きく破損している。通信システムの故障時に緊急手段として排出されるよう設計された、民間船用の人類のモデルかもしれない。しかし破損がひどく、推測どおりかどうかは不明だ。ブイは弱くて歪んだ信号を繰り返している。
ダーガンは辺境に位置する星系で、黄色矮星に分類されるG型主系列星の恒星を中心に、4個の惑星から構成されている。調査船による公式調査が行なわれたのは今回が初めてだが、いずれの惑星にも生命体の存在は確認されていない。
第5惑星の衛星軌道上で発見された問題の緊急通信ブイは、どうやら人類の既存技術で作られたものであるらしい。公式調査以前に海賊や個人探検家がこの星系に足を踏み入れた可能性も皆無ではないため、おそらく彼らが残していったものであろうと考えられた。
ただ、肝心の信号があまりに微弱で、内容が解析できない。救難信号の可能性があるため放置はできないが、折悪しく現場宙域では、ここ1週間ほど恒星風の強い状態が続いていて、当面は通信の安定化が見込めない。
調査船スカウトの船内では、リーダーであるジェラルド・メンデス博士の指揮のもと、星系調査と並行して長期戦の構えで信号の解析と安定化に努めることとなった。
2229年10月25日
ブイは人類で作られたうちの一つと確認され、それが中継していた信号が安定した。
ブイ発見後1ヶ月を経て恒星風が弱まり、ようやく発信者との交信に成功。交信といっても、フェイス・トゥ・フェイスの会話のようにタイムラグなしで行なわれるものではなく、発信から返信まで、通信波のやり取りには、早くても数分、遅ければ1時間程度かかる。まどろっこしいやり取りがくり返されたが、内容をざっとまとめると以下のとおり。
「身元を明らかにせよ」
「ハ……ハロー? こちら人類民間輸送船ルクシオンの艦長だ。あー、元艦長だ。ルクシオンはもうない。我々は海賊に乗り込まれて捕虜にされ、船は破壊された「
「君を捕らえたのは何者だ?」
「彼らは「人質(ランサマーズ)」と名乗っていたように思う……いや、「ランソマーズ」と言ったのか? ともかくやつらは卑劣な集団で、我々と交換に国際地球連合から何か得られると考えていなければ、全員殺されていただろう。やつらが要求内容について話し合っているのが聞こえたんだ……」
「君を助けよう」
「おお、ありがとう! 本当にありがとう。俺たちはどこかの宇宙ステーションに囚われているが、それがどこなのか見当もつかないんだ。今から通信装置の出力を上げる。緊急ブイから三角測量でこの刑務所の場所を調べてくれ……」自らを「ランソマーズ」と呼ぶ海賊の一団が人類民間輸送船の乗組員を誘拐した。我々は、海賊が何らかの要求をする前に人質を解放(救出)するつもりだ。
引き続き解析に努めた結果、ルクシオン元船長ら人質の幽閉場所はキャレンバル星系小惑星RX2-845の近傍宙域にあることがわかった。ダーガン星系からエシーク星系を経て12.3光年の距離にある。
さて、場所はわかったものの問題は救出の方法である。
海賊艦隊との戦闘に発展する可能性が高いことを考えると、交通情報省所管の警備艇ごときでは救出などおぼつかない。艦隊の出動は必須であろうことから、話は国防省に持ち込まれた。国防省のトップはナタニエル・ガイタン国防長官。「海賊の跳梁を放置しておくと、国家の安全保障にも関わる問題に発展しかねない」との判断から治安出動との名目で出動は承認された。
とはいえ、国防省幹部の本音は「出動はやむを得ないが、必要最小限の兵力で」。一方、実際に戦闘に従事することになる現場の意向はまた異なっていた。「海賊艦隊の規模が不明であるからには、動員可能な最大限の兵力を当てるべき」というのである。
「拉致現場で、より大きな海賊艦隊を見た」という人質の証言が、不安の影を落としていた。
「もし寡兵で大兵力に対することになれば、逆襲を食らって人質の救出はおろか、わが身も危うくなる」
「当たり前のことだが、兵力の逐次投入は愚の骨頂」
若手士官グループが大兵力の動員を強く主張。もっとも、そのような不安要素があるのなら、しっかりと索敵を行ってから適正規模の艦隊を動員すればよい話なのだが……。情報収集を行うにしても、さらに時間を費やすことになる。これ以上、救出作戦発動を延ばすことはできないと、見切り発車。
とにかく、この意見具申をドミニック・マーティン宇宙艦隊司令長官も支持したことで、ガイタン国防長官はしぶしぶ第1・第2両艦隊の出動を承認した。
2230年5月30日:派遣艦隊が地球を進発
海賊基地は非常に目立たないが、そのつもりで観察すればすぐに見つかった。
隊列の乱れた船団が、改装された採掘施設の裏からゆっくりと漂い出てくる──明らかに企業のものではない。↓
通信開け。捕虜には準備が必要だ。
事件発生から半年以上経過しても、海賊団「ランソマーズ」からは交渉を持ちかけてくる気配なし。何を考えているのか、正直なところよくわからない。おそらくランソマーズ側もUNEの動きを注視しているであろうから、大兵力動員の兆候をキャッチして交渉の余地なしと判断したのだろうか。それどころか、予想を上回る兵力に戦意を失くして、どうやら撤退の準備を始めている模様。逃亡=敵兵力の温存につながるのは好ましくないので、ここは全力で叩くことにする。
ハロー、また会えたな、首相。人類船が騒ぎの原因かい?
我々の招待主は、この基地を脱出する準備ができているみたいだ。ここに突入したらおそらくこの場の全員がおしまいになる。けど……もし基地に直接攻撃をすれば、俺たちは自力で救命艇を奪取できると思う。
脱出中の俺たちを吹っ飛ばさないでくれよな!
人質を基地に残したまま、逃亡するつもりらしい。
2230年8月5日~9月2日:戦闘
逃亡を図る海賊艦隊の行く手を第1艦隊(コルベット×16)の艦列が阻み、その後背を第2艦隊(駆逐艦×4)が突く形で挟撃に成功。見事に海賊艦隊を殲滅した。結果から見れば、大兵力でもってはみ出し者の海賊艦隊を一蹴した、というところか。ただ、敵のレイダー1隻は戦場からの脱出・逃亡に成功したようだ。
続いて攻撃の鉾先を海賊基地に向ける。
海賊基地は我が軍艦が誘発させた激しい連鎖反応でゆっくりとバラバラになり、捕虜となっていたルクシオン乗員の捜索が開始された。
もし救命艇にたどり着けたのなら、今頃はもう通信があるはずだ……首相、こちらルクシオン乗組員。
計画は問題なく成功しました。貴方たちが基地に直接砲撃を始めた時、看守が船に向かったので牢のドアを破れました。救命艇に警備はなく、海賊は脱走者にかまう余裕がなかったみたいです。ルクシオン乗員はEarthに安全に帰還し、惨事は避けられた。人類の人々は国際地球連合の首相の断固たる行動を心から称えた。
ランソマーズ海賊団の誘拐事件は、海賊団そのものとともに終焉を迎えた。だがいくつかの疑問は残った。主な疑問は、捕虜になった直後に人質が舷窓から見たという、もっと大きな海賊艦隊に関するものだ。しかし、状況を考慮すれば、脅威が実際よりずっと大きく見えたとしてもおかしくはない。
ランソマーズの一見は終わったのだ。
艦隊司令官ドミニック・マーティン(Dominic Martin)、レベルアップ。